ブリキの製造工程について
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ブリキはどのように作られるのか、その流れの概要
ブリキの製造工程
ブリキの製造工程は、大きく分けて次の4つの工程に分けられます。
- 原料の準備
- 圧延
- めっき
- 検査・仕上げ
1. 原料の準備
ブリキの原料は、鋼板と錫(スズ)です。鋼板は、鉄鉱石と石炭を原料として製鉄所によって製造されます。錫は、錫鉱石(すずこうせき)を原料として精錬所で錫を取り出す形で製造されます。錫鉱石の生産量は中国とインド ネシア、ミャンマーの3か国で世界全体の76%を占めています。日本国内では、鹿児島県、大分県などで生産されています。
2. 圧延
鋼板は、圧延機によって薄く延ばされます。圧延を行うことで、最終的にできるブリキの厚さや強度を調整することができます。また次工程で扱えるよう適切なサイズに切断します。
3. めっき
薄く延ばされた鋼板の表面に、溶液化された錫を塗布(めっき)します。めっきを行うことで、ブリキの耐食性を向上させることができます。この際、めっきした板を加熱しながら錫を表面に密着させます。ここで原料からブリキになります。
4. 検査・仕上げ
めっきされたブリキは、検査機によって品質が検査されます。合格したブリキは、仕上げ工程に移されます。仕上げ工程では、ブリキに表面を磨く処理や印刷、塗装などを施します。
上記の工程を経て、缶であれば製缶企業の工場で製品の形に切断、折り曲げ、組み立てられて、商品として最終加工され、はじめて私たちが手に取る飲料や缶詰として店頭に並べられます。
まとめ
ここではおおまかな流れを紹介しましたが、製造工程で用いられる技術や設備は常に進歩しています。またメーカーによって製造方法も異なりますので、各メーカーの資料もご覧ください。
ブリキは、飲料缶、缶詰などの飲食物や油、塗料などを入れる缶容器に広く使用されています。また、ブリキは、建築材料や自動車部品などの幅広い製品に使用されています。
見た目の光沢がきれいで、原料の調整によってさまざまな色調を表現できます。表面に塗装や印刷がクリアにでき、また加工が比較的容易で強度も確保できます。このような特長があるため、長く広く活用されているのです。