アルミニウムの特性について
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アルミニウムのすぐれた特長も含めた性質とは?
アルミの特性
アルミニウムには金属として以下の特性があります。
- 軽量:アルミニウムは非常に軽量であり、鉄や銅などの他の一般的な金属よりも約1/3の重さです。
- 耐食性:アルミニウムは酸素と水と反応して表面に酸化皮膜を形成し、これが金属を保護します。このため、耐食性があり、錆びにくい特性があります。
- 導電性:アルミニウムは熱や電気をよく伝える特性があります。これは、電線や電子機器の製造に広く使用される理由の一つです。
- 加工性:アルミニウムは容易に加工でき、押し出し、押し型、鍛造などの方法で形成することができます。
- 融点:アルミニウムの融点は約660°C(約1220°F)であり、比較的低いため、溶かして再利用することが比較的容易です。
- 非磁性:アルミニウムは磁気を持たないため、磁気干渉を起こしません。
- 反射率:アルミニウムは可視光線や紫外線を良く反射します。この特性は、鏡や反射板などの製造に利用されます。
- 環境への影響:5.の特性と関連して、でアルミニウムは再生が可能であり、環境への影響が比較的低い材料です。リサイクル率が高いため、地球環境にとって優しい金属とされています。
アルミの強度
金属は用途によっては強度が求められることが多々ありますが、一般的にアルミは強度が弱いとされています。しかし、アルミの強度を高める方法もあります。
- 合金:純粋なアルミニウムは軟らかいですが、合金化することで強度を向上させることができます。例えば、銅、シリコン、マグネシウムなどがアルミニウム合金に添加され、強度を向上させるのに使われます。
- 熱処理:アルミニウム合金は熱処理によって強度が変化します。一般的な熱処理方法には、焼き入れ、焼き戻し、加熱などがあります。これにより、合金の結晶構造や硬度が変化し、必要な強度特性を得ることができます。
- 冷間加工:アルミニウムは冷間加工(例: 圧延、押出し)によっても強度を向上させることができます。これにより、結晶の配置が変わり、強度が増します。
- 結晶の微細化:結晶粒のサイズが小さいほど、材料は一般的に強度が高くなります。これは冷間加工や特定の熱処理手法によって達成されます。
- 形状:アルミニウムの形状や寸法も強度に影響します。例えば、薄板は厚板よりも強度が低い場合があります。
- 温度:温度が上昇すると、アルミニウムの強度は一般的に低下します。このため、高温環境での使用には注意が必要です。
- 応力速度:アルミニウムの強度は、外部からの応力(力を加えられた際に生まれる物質の抵抗力のこと)がどれくらい速くかかるかによっても影響を受けます。例えば、急激な力がかかるような状況では、強度が高まる場合があります。
- アルミニウムの強度は材料の組成や加工方法、形状、温度などの要因によって変動します。したがって、特定の用途に適したアルミニウム合金や加工手法を選んで活用されます。
これらアルミニウムのそれぞれの特性を活かし、我々の日常的に使うものに広く利用されています。日本では高度成長期あたりからアルミニウムの国内生産量が高まり、世界有数のアルミ生産国になりました。しかし、その後の世界情勢の変化により、国内生産は減り、2021年の調査によると中国、ロシア、カナダが世界でトップ3を占めています(新地金ベース)。一方で、アルミニウムの消費については中国、米国、ドイツに次いで第4位です。
出典:社団法人日本アルミニウム協会
「世界のアルミ産業」
このような特性を活かして、さまざまな分野で利用されています。どのような分野で活用されているかをこちらでご紹介しています。本記事と合わせてご覧ください。