アルミとは?
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アルミニウムとは何か、またどのように使われてきたのか
アルミ(アルミニウム)の概要
アルミニウム(英: aluminium, 米: aluminum, 羅: alūminium)は、記号Al、原子番号13の化学元素です。 アルミニウムは他の一般的な金属よりも密度が低く、鋼鉄の約3分の1ほどです。アルミニウムは非常に豊富に存在する地球上の元素の一つであり、地殻中に約8%存在しています。 酸素との親和性が高く、空気に触れると表面に酸化物の保護膜が形成されます。
アルミニウムは軽量でありながら強度があり、加工性に優れ、腐食に強く、また優れた熱伝導性と電気伝導性を持つことから、幅広い用途に利用されています。特に、建築材料、自動車部品、飛行機部品、電子機器などの製造において重要な役割を果たしています。特に軽量かつ強度が高い長所を活かし、ものを保存するためのストック用に昔から使用されています。上記の用途に加え、飲料の缶や箔、調理器具など日常的に一般家庭でも広く使用されています。
アルミニウムの歴史
アルミニウムは、1825年にデンマークの物理学者ハンス・クリスチャン・エルステッドによって初めて単離(単体の元素として取り出すこと)されました。 当時は希少で高価な金属で、宝飾品や高級品にしか使われませんでしたが、アルミニウムの製造コストが低下し、一般に普及し始めたのは、1886年にアメリカのチャールズ・ホールとフランスのポール・ルルーが、電解精錬法を発明してからです。電解精錬法は、アルミナと氷晶石からなる溶融塩を電解する方法で、アルミニウムを大量に製造することができます。この方法の開発により、アルミニウムの製造コストは大幅に低下し、一般に普及するようになりました。
余談ですが、アルミやブリキで作られる「缶詰」の始まりは、19世紀のフランス皇帝ナポレオンによるものでした。
ナポレオンは軍を率いて領土を広げていったのですが、その遠征先は、フランスから遠いところでエジプトのカイロ(パリ~カイロ間の距離は3208km)やモスクワ(パリ~モスクワ間の距離は2849km)など、当時としては広い範囲にわたっていました。長期間の遠征において、食料の確保が問題になり、食べ物をいかに長期間保存できるか、その保存方法を公募したそうです。それに応じて、1804年にフランス人のニコラ・アペールが瓶詰めで食料を保存することを提案し、採用されました。現在家庭でも行われているように、瓶を加熱殺菌したのち食料を詰め、フタをする手法です。この手法が開発されるまでは、食料を塩や酢につける方法が一般的でした。ナポレオンもこの瓶詰で食料を保存する方法をえらく気に入ったようで、アペールには褒賞が与えられました。
その後、瓶からブリキ缶、アルミ缶で保存する、いわゆる缶詰に変わり、イギリスで使われるようになり、アメリカに缶詰工場ができて大量生産され、一気に缶詰が広まったとのことです。日本にもその少し後に缶詰がもたらされ、工場が作られて広まっていきました。
このような歴史を経て、アルミは現在では最も生産量の多い金属の1つで、現代社会に欠かせない素材となっています。